旅先で仲良くなった人に、スマホを差し出して言う。「LINE、交換しよ」

相手が、少し困った顔で首をかしげる。

その顔が返ってこない国は、世界に4つしかありません。

第三者推計データをもとに、LINEがどの国で何人に使われているのかを、ランキングで見ていきます。

ここからLINEトーク画面を再現した会話です

うさぎがカメにんにくネコ
うさぎがカメ
台湾の方に交換しようって言われて、はいって答えたら……気づいたら台湾の友だちが6人になってました
にんにくネコ
断れなさが国境を越えてる!
LINEトーク画面の再現ここまで

まずは世界のメッセンジャー勢力図

LINEを世界地図の上に置くと、まずこう見えます。

世界のメッセンジャーアプリ 月間アクティブユーザー数(2025年・推計)

WhatsApp
約30億人
WeChat
約13億人
Messenger
約10億人
Telegram
約9億人
LINE
約2億人

* 各社公式・第三者推計(Business of Apps、Statista、各社IR)の2025年時点データ。

世界5位。トップのWhatsAppとは15倍の開きがあります。

「世界」というスケールで見る限り、LINEは完全にニッチ寄りのアプリです。日本にいると信じがたい話ですが、数字はそう出ています。

ところが地域を絞ると、景色がまるごと入れ替わります。

LINEが強いのは、たった4カ国

MAU約1.94億人のうち、約1.7億人が4カ国に集中しています。

地域MAU推計人口比普及率
東アジア🇯🇵 日本約9,700万約78%
東アジア🇹🇼 台湾約2,200万約92%
東南アジア🇹🇭 タイ約5,000万約69%
東南アジア🇮🇩 インドネシア約1,300万約4.7%
主要4カ国 計約1.7億

この4カ国だけで、世界MAUの約88%。裏を返せば、この4カ国を出た瞬間にLINEユーザーはほぼ消えます。

利用者数トップ2:日本とタイ

🥇 日本(約9,700万人)

人口の約78%、成人では約88%が使用。もはやアプリではなくインフラです。

決済・公式アカウント・ニュース・スタンプ文化まで含めて、生活のあらゆる場面に根を張っています。

🥈 タイ(約5,000万人)

日本に次ぐ第2位が、意外にもタイ。人口の約69%が使っています。

強いのはメッセージ機能だけではありません。LINE Pay、LINE TV、LINE MAN(フードデリバリー)が現地で展開され、生活アプリとして定着しています。

日本人が「LINEで送っといて」と言う感覚は、タイでもだいたい通じます。

人口比で並べ替えると、順位がひっくり返る

利用者数では日本が圧倒的です。では「人口の何%が使っているか」で並べ直すと、どうなるか。

国別 人口比普及率(2025年・推計)

🇹🇼 台湾
約92%
🇯🇵 日本
約78%
🇹🇭 タイ
約69%
🇮🇩 インドネシア
約4.7%

* 普及率 = 推計MAU ÷ 総人口。1位と4位の差は約20倍。

利用者数3位の台湾が、密度では1位に飛び出しました。総人口約2,400万人に対して約2,200万人。ほぼ全国民です。

一方、人口2.7億人のインドネシアは約4.7%。WhatsAppやTelegramに押され、LINEの世界戦略で一番の踏ん張りどころになっています。

数の王が日本、密度の王が台湾。LINEには王様が2人います。

なぜこの4カ国だったのか

理由は国ごとにまったく違います。

🇯🇵 日本 — 災害がきっかけ。 2011年の東日本大震災で電話とメールがつながらなくなったとき、無料の代替手段として一気に広がりました。開発元も日本(当時のNHN Japan)で、初期から日本のニーズに最適化されています。詳しくはLINEの歴史まとめへ。

🇹🇼 台湾・🇹🇭 タイ — 早期参入とスタンプ文化。 2012〜2013年の参入が早く、現地クリエイターのスタンプ文化も育ちました。「自国のクリエイターが作ったスタンプを送り合う」構図が、日本と同じ形で成立しています。

🇮🇩 インドネシア — 併用文化に負けた。 早期はリードしていました。ただし通信費が安くSIMフリーが当たり前の環境では、複数アプリの併用が普通。LINEだけを選ぶ理由が育ちませんでした。

LINEがほぼ通じない国

世界の大半では、冒頭のあの顔が返ってきます。

ニューヨークで連絡先を交換しようとした結果
LINE、やってますか?
既読14:20
うさぎがカメ
にんにくネコ
現地の人
Line…? 行列のこと?
14:21
あ、大丈夫です、大丈夫です、こちらこそすみません
既読14:21
うさぎがカメ
にんにくネコ

なんで謝ってるの!? こっちは1ミリも悪くないよ!!

主な”不通”エリアはこのあたりです。

  • 🇨🇳 中国 — 規制により通常アクセス不可。WeChat(微信)が完全に独占
  • 🇺🇸 米国・🇬🇧 英国・🇩🇪 ドイツなど欧米 — WhatsApp、Messenger、iMessageの3強で占領済み
  • 🇮🇳 インド — WhatsAppが圧倒的(成人の8割超)。LINE単独を選ぶ動機が育たない
  • 🇰🇷 韓国 — 同じNAVER系列にもかかわらず、国内はKakaoTalkが独占。兄弟で商圏を分けた形

最後の韓国が地味に効いています。生みの親の国で、ほとんど使われていない

数字で見るLINEの立ち位置

指標数字
全世界MAU約1.94億人(メッセンジャー界5位)
コア4カ国合計約1.7億人(全世界の約88%)
利用者数1位🇯🇵 日本(約9,700万人)
普及率1位🇹🇼 台湾(約92%)
ほぼ使われていない地域中国、欧米、インド、韓国

まとめ

  • LINEは世界5位・約1.94億人。WhatsAppの約15分の1で、グローバルではニッチ
  • コア4カ国(日本・タイ・台湾・インドネシア)で世界MAUの約88%を占める
  • 数の1位は日本、密度の1位は台湾(約92%)。指標を変えると王様が入れ替わる

海外旅行の前にこれだけ。行き先が上の4カ国でなければ、WhatsAppを入れておくと連絡先交換で困りません。

ここからLINEトーク画面を再現した会話です

うさぎがカメにんにくネコ
うさぎがカメ
じゃあ次の旅行は台湾にします。断られない国がいいので
にんにくネコ
動機がうしろ向きすぎるよ!
LINEトーク画面の再現ここまで

LINEは世界のキングではなく、地域のキング。ただしその地域では、他のアプリが入る隙間がありません。


出典・参考データ

※ LYコーポレーションは2021年以降、LINE単体のMAUを公式には非開示。本記事の数値は上記の第三者推計(2025年時点)を中心に整理しました。実際の数字には推計幅があります。