家電量販店のカウンター。新しい端末の箱が目の前に置かれて、店員さんが言います。「LINEの引き継ぎだけは、ご自身での作業になります」。
その瞬間、頭に浮かぶのは10年分のトーク履歴です。手順を間違えると、それが消えます。
ここからLINEトーク画面を再現した会話です
引き継ぎ前の準備から新端末での復元まで、やる順に並べました。上から順に潰していけば大丈夫です。
何が引き継げて、何が消えるのか
作業に入る前に、ここだけ把握しておきます。消えるものは、消える前にしか救えません。
| 引き継ぎ | ◯ 引き継げるもの | × 引き継げない・条件つきのもの |
|---|---|---|
| ログインするだけ | 友だちリスト/グループ/プロフィール(名前・アイコン)/購入履歴(スタンプ・着せかえ・絵文字)/アルバム・ノート/LINE VOOMの投稿 | 通知音の設定/トークルームの背景画像/異OS間のLINEコイン残高 |
| ひと手間が必要 | トーク履歴(バックアップ必須)/LINE Pay 残高・情報(ログイン後に再ログイン) | 異OS間(iPhone⇔Android)は直近14日間のみ引き継ぎ可能。14日より前のトーク履歴は引き継げない |
同じOS間(iPhone→iPhone / Android→Android)なら、トーク履歴はバックアップから戻せます。ただし無料のバックアップで戻るのはテキストのみで、写真・動画・ファイル・ボイスメッセージまで戻すにはLYPプレミアムの「プレミアムバックアップ」が必要です。
異OS間だけが別ルールで、直近14日間のみの引き継ぎになります(2020年以降の機能)。
14日より前のやり取りで残したいものがあるなら、事前にスクリーンショットを撮るか、トーク画面の「その他」→「トーク履歴を送信」でテキストファイルとして保存しておいてください。
事前準備|旧端末でやる4つ
ここを飛ばすと詰みます。新しい端末の箱を開ける前に終わらせておく作業です。
1. メールアドレスとパスワードを確認
設定 →「アカウント」で、メールアドレスが登録済みか、パスワードが設定済みかを確認します。
未登録なら今すぐ登録してください。これがないと、引き継ぎに失敗した時に戻る場所がありません。
2. 電話番号を確認
設定 →「アカウント」→「電話番号」。今使っている番号が正しく登録されているか見ておきます。
3. トーク履歴をバックアップ
iPhoneは、LINE → 設定(歯車アイコン)→「トーク」→「トーク履歴のバックアップ・復元」→「今すぐバックアップ」をタップ。iCloudに保存されます。
iCloudの空き容量が足りないと止まります。先に整理しておきましょう。
Androidは、LINE → 設定 →「トーク」→「トーク履歴のバックアップ・復元」→「Googleドライブにバックアップする」をタップ。
4. 「かんたん引き継ぎ」をONにする
設定 →「アカウント引き継ぎ」→「アカウントを引き継ぐ」をON。有効時間は36時間です。この時間内に新端末でログイン作業をします。
ここからLINEトーク画面を再現した会話です
いちばんラクなのは「かんたん引き継ぎQRコード」
LINEが公式に勧めているのがこの方法です。パスワードやPINコードの入力を省けるので、引き継ぎで詰まる原因のほとんどを最初から避けられます。
旧端末が手元にあって、画面が映るなら、まずこれを試してください。
旧端末でやること
- ホーム →「設定」→「かんたん引き継ぎQRコード」でQRコードを表示
- 新端末でスキャンすると「新しい端末でこのQRコードをスキャンしましたか?」と出るので「次へ」
- 端末のロックを解除して本人確認
新端末でやること
- LINEをインストールして起動し、「ログイン」をタップ
- 「QRコードでログイン」→「QRコードをスキャン」
- 旧端末に表示されたQRコードを読み取る
- 「トーク履歴の復元」に進む
この方法だと直近14日間のトーク履歴が復元できます。同じOS同士でバックアップも取ってあれば、14日分に加えてバックアップ分も戻ります。
ここからLINEトーク画面を再現した会話です
旧端末が壊れている・手元にないときはQRコードを出せません。その場合は下の手順で、電話番号かメールアドレスからログインします。
新端末での引き継ぎ|iPhone → iPhone
QRコードが使えないときの、従来のやり方です。手数は多いですが確実です。
- 新しいiPhoneでLINEアプリをインストール
- 起動して「ログイン」を選択
- 電話番号またはメールアドレスでログイン
- 認証コード(SMS)を入力
- 「トーク履歴を復元」→ iCloudから復元
- 友だち・グループ・スタンプも自動で復元される
5番が最大の分かれ道です。ここを飛ばして先に進むと、トーク履歴だけが空のまま新生活が始まります。焦って「あとで」を押さないでください。
新端末での引き継ぎ|Android → Android
骨格はiPhoneと同じですが、復元元がiCloudではなくGoogleドライブになります。ここで事故が起きます。
- 新しいAndroidでLINEアプリをインストール
- 起動して「ログイン」を選択
- 電話番号またはメールアドレスでログイン(QRコードが使えるならそちらが早いです)
- 認証コード(SMS)を入力
- 「トーク履歴を復元」に進む
- バックアップを取ったときと同じGoogleアカウントを選ぶ
- 友だち・グループ・スタンプも自動で復元される
6番が最大の落とし穴です。 端末に複数のGoogleアカウントが入っていると、選択画面で違う方を選んでしまいがちです。バックアップと別のアカウントを選ぶと、トーク履歴は戻りません。
そもそもバックアップが無い場合、Googleドライブからは何も復元できません。事前準備の3番を飛ばした人は、ここで初めてそれに気づきます。
iPhone ⇔ Android(異OS間)は14日ルール
OSをまたぐときだけ、トーク履歴の扱いが変わります。
| やること | 内容 |
|---|---|
| 手順 | 旧端末でQRコードを表示 → 新端末でスキャンしてログイン → 直近14日分が自動で復元される |
| 引き継げる範囲 | 直近14日間のトーク履歴のみ。バックアップを取っていても、それ以前は戻りません |
| 14日より前を残すには | トーク画面の「その他」→「トーク履歴を送信」でテキスト保存、またはスクリーンショット |
iCloudとGoogleドライブは互いに読めません。異OS間だけは、バックアップがあっても14日の壁を超えられないと覚えてください。
新しいiPhoneに買い替える人へ|2026年秋の注意点
秋の新型iPhoneに乗り換える人向けに、この秋だけ気をつける点を足しておきます。
- 先に両方の端末をiOSとLINEの最新版にする。旧端末が古いままだと、「かんたん引き継ぎQRコード」などのメニューが表示されないことがあります
- Appleのクイックスタートでアプリは移っても、LINEはログインが別途必要です。アプリのアイコンが並んでいても中身は空なので、上のQRコードの手順で必ずログインとトーク履歴の復元をしてください
- iOS 26に未対応の着せかえは、下部メニューのアイコンが標準デザインに置き換わります。引き継ぎの失敗ではなく、着せかえ側のiOS 26対応待ちです。詳しくは着せかえが反映されない原因と返金の条件にまとめました
- LINE VOOMの投稿は引き継げますが、2026年9月30日にサービス自体が終了し、新端末でも見られなくなります。残したい投稿は終了前のバックアップ手順で先に確保してください
発売日に届いた端末で夜中に始めると、途中で寝落ちして36時間の引き継ぎ期限を過ぎてしまいがちです。翌日の30分を確保してから始めてください。
よくあるトラブルと対処
| 症状 | 原因として多いもの | 対処 |
|---|---|---|
| トーク履歴の復元に失敗する | iCloud / Googleドライブが紐づいていない。バックアップ時と別アカウントでログインしている | 紐づけとログインアカウントを確認し、一度アプリを再起動する |
| 「アカウントを引き継げません」と出る | 旧端末のアカウント引き継ぎ設定がOFF。または引き継ぎ期限(36時間)切れ | 旧端末でもう一度設定をONにして、36時間以内に新端末で作業する |
| SMS認証が届かない | 電話番号の誤り。迷惑メール扱い | 番号を確認し、迷惑メールフォルダを見る。数分待ってから再送信する |
| LINE Payの情報が引き継がれない | ログイン直後は未連携の状態 | LINE Pay画面で再ログインする(パスワード忘れに注意) |
| 旧端末にトーク履歴が残ってしまった | ログアウトしていない | 旧端末のLINEからログアウト、またはアプリをアンインストールする |
旧端末を下取りや譲渡に出すなら、最後の行だけは必ずやってください。個人情報がまるごと残ります。
機種変更前のチェックリスト
作業に入る前に、これを全部埋めてから始めます。
□ メールアドレス登録済み
□ パスワード設定済み
□ 電話番号が最新
□ トーク履歴をバックアップ済み
□ iCloud / Googleドライブの空き容量OK
□ 新端末でインターネット接続確認
□ アカウント引き継ぎ設定ON(36時間以内)
作業当日の流れ
- 旧端末でバックアップ(所要時間5分〜)
- 旧端末で引き継ぎ設定ON(1分)
- 新端末でLINEインストール(2分)
- ログイン+SMS認証(3分)
- トーク履歴復元(5分〜)
トータル15〜30分で完了します。半日仕事ではありません。逆に言えば、この30分を確保できない日にやり始めるのがいちばん危険です。
復元が終わったら、設定 →「スタンプ」→「マイスタンプ」で購入済みスタンプを再ダウンロードして、動作確認をかねて誰かに1つ送ってみてください。それが無事に届いたら、引き継ぎは本当に完了です。
まとめ
- 引き継ぎは事前準備がすべて。メールアドレス・パスワード・電話番号を揃え、バックアップを取ってから箱を開ける
- 引き継ぎ設定の有効時間は36時間。切れても旧端末で再設定できるが、旧端末を手放したあとでは詰む
- 異OS間は直近14日間のトーク履歴のみ。それ以前は「トーク履歴を送信」で別途保存
今日これだけやるなら、旧端末で設定 →「トーク」→ バックアップを1回。機種変更の予定がなくても、それだけで保険になります。
ここからLINEトーク画面を再現した会話です
引き継ぎが緊張するのは、失敗が取り返しのつかない形で出るからです。逆に言えば、バックアップさえ取ってあれば、緊張する理由はもう半分残っていません。
出典・参考
にんにくネコ
テティーベア
うさぎがカメ