日本で最も使われているメッセージアプリLINE。気軽に使っている一方で、「どうやってここまで広まったのか」「会社どうなってるの?」を意外と知らない人も多いはず。
この記事では、2011年の誕生から現在までのLINEの歴史を時系列で整理します。震災・韓国系資本・Yahoo!との統合など、背景を知ると使い方の見方も少し変わってきます。
2011年: LINE誕生のきっかけ
東日本大震災が引き金
LINEの誕生は 2011年3月11日の東日本大震災 と深く関係しています。
当時日本に滞在していた韓国NHN(現Naver)共同創業者のイ・ヘジン氏とそのエンジニアチームは、震災直後に電話・SMSがつながらなくなった光景を目の当たりにしました。家族や友人と連絡が取れない不安に共感し、「インターネット接続さえあれば無料で連絡が取れるアプリ」の必要性を感じ、約2ヶ月で開発に着手します。
2011年6月23日 LINEリリース
震災から約3ヶ月後の2011年6月23日、LINEが正式にリリースされました。初期はシンプルなメッセージ機能のみで、NHN Japan(当時)が運営。
この「災害時にも使える・無料・スタンプで気軽に表現できる」というコンセプトが日本人の感覚に刺さり、爆発的に普及していきます。
2012〜2013年: 急拡大と社名変更
ユーザー数1億人突破(2013年1月)
リリースからわずか1年7ヶ月でユーザー数1億人を突破。これはFacebookの約4年半を大きく上回るスピードでした。
LINE株式会社設立(2013年4月1日)
NHN Japan が組織再編し、2013年4月1日に「LINE株式会社」として正式にスタート。親会社も Naver Corporation(韓国)と NHN Entertainment(日本)に分社化されました。
スタンプ文化の定着
この時期、LINEスタンプが日本のコミュニケーション文化に根付きます。有名キャラクターの公式スタンプから、個人クリエイターの投稿スタンプまで市場が急成長。
2014〜2016年: グローバル展開と上場
LINE Pay サービス開始(2014年)
QR決済・銀行振込・コンビニ支払いなどを統合した LINE Pay が開始。日本におけるキャッシュレス決済の先駆け的存在になりました。
2016年 NYSE・東証同時上場
2016年7月15日、LINE株式会社はニューヨーク証券取引所と東京証券取引所に同時上場。同時上場は当時としても異例で、グローバル戦略の象徴とされました。
初値は公開価格を大きく上回り、時価総額は約9,000億円に達しました。
2017〜2020年: 生活インフラ化
LINE MUSIC / LINE PAY / LINE証券 / LINE銀行
この時期、LINEはメッセージアプリから生活インフラへと舵を切ります。
- LINE MUSIC(音楽配信)
- LINE Pay(QR決済の全国展開)
- LINE証券(証券取引)
- LINE Bank(銀行サービス)
「LINEさえあれば何でもできる」を目指すスーパーアプリ路線が本格化。
COVID-19 と LINE(2020年)
新型コロナ禍で人々が対面で会えなくなった時期、LINEは公的機関の情報発信ツールとしても活用されました。厚生労働省の「新型コロナ対策のための全国調査」など、行政連携が加速。
2021年: Yahoo!との経営統合
Zホールディングス発足(2021年3月)
2021年3月1日、LINE株式会社はヤフー株式会社と経営統合。持株会社としてZホールディングスが発足しました。
親会社は:
- Naver Corporation(韓国)
- SoftBank Corp.(日本)
が50%ずつ出資するA Holdings Corp. が Zホールディングスを支配する構造に。
当時の衝撃
「LINE × Yahoo という、日本で最も使われているメッセージ+検索サービスが合体**」というニュースは、当時のIT業界に大きな衝撃を与えました。
2023年: 「LINEヤフー」誕生
2023年10月1日 5社合併
2023年10月1日、以下の5社が合併して LINEヤフー株式会社(LY Corporation) が誕生しました。
- Zホールディングス株式会社
- ヤフー株式会社
- LINE株式会社
- Z Entertainment株式会社
- Zデータ株式会社
合併の狙い
グループ内で重複する事業を統廃合し、LINEとヤフー両方のサービスを一体運用することで競争力を高めるのが目的。
- 代表取締役社長CEO: 出澤剛氏
- グループ延べ利用者数: 3.2億人超
- 連結従業員数: 約28,000人
これにより「LINE株式会社」という法人は消滅し、現在のLINEアプリはLINEヤフー株式会社が運営しています。
LINEの代表的な機能の歴史
| 年 | できごと |
|---|---|
| 2011 | LINEリリース |
| 2011 | スタンプ機能追加 |
| 2012 | 無料通話機能 |
| 2013 | LINE GAME開始 |
| 2014 | LINE Pay開始 |
| 2015 | タイムライン機能 |
| 2016 | NYSE・東証同時上場 |
| 2018 | LINE Clova(AIアシスタント) |
| 2019 | LINE証券開始 |
| 2020 | LINE OpenChat国内展開 |
| 2021 | Yahoo!経営統合、Zホールディングス発足 |
| 2023 | LINEヤフー誕生 |
| 2024 | LINE公式アカウント料金改定 |
ユーザー数の推移
リリースから数年で世界的なメッセンジャーへと成長した軌跡を視覚化してみます。
LINE グローバルユーザー数の推移(MAU)
* 2023年はLINEヤフー発足時のグループ延べ利用者数。2020年まではLINE単独のMAU。
日本国内の浸透率
日本国内の主要メッセンジャーアプリ利用率(2023年時点・概算)
* 日本国内スマホユーザーに占めるアクティブ利用率(複数調査の概算値)。
日本国内の浸透率は約95% と、ほぼ全国民が使うインフラレベルのアプリになっています。
なぜLINEはここまで広まったのか
複数の要因が重なっています:
① タイミング
震災後の「連絡手段への不安」というニーズに、完全無料・電波に強い・スタンプで気持ちが伝わるサービスがぴったり合致。
② 日本人の感覚にフィット
欧米発のSNS(Facebook・WhatsApp)は本名・実写前提。LINEはニックネーム・スタンプ文化を育てた。日本人の「照れ」に合致。
③ スタンプというイノベーション
文字を打たなくても感情が伝わるスタンプ文化は、返信のハードルを大きく下げた。企業コラボでも収益化に成功。
④ スマホ普及期との重なり
LINEがリリースされた2011年は、日本でスマホが急速に普及し始めた時期。デバイス変化のタイミングに乗れたことが大きい。
まとめ
- 2011年6月23日 東日本大震災をきっかけに誕生
- 2013年 LINE株式会社が正式発足
- 2016年 NY・東京同時上場
- 2021年 Yahoo!と経営統合 → Zホールディングス
- 2023年10月 LINEヤフー株式会社として統合
- 国民的アプリとして日本の生活インフラに定着
「いつの間にか生活の一部になっていた」と感じるLINEですが、震災からわずか3ヶ月後に生まれたという原点を知ると、アプリとしての意義も違って見えるかもしれません。